2024年 会長新年挨拶
1992年5月31日世界禁煙デーの日に発足しました当会も2024年には33周年を迎えます。発足のころには我が国の医師、歯科医師の喫煙率は今よりも高率でしたし、男性の喫煙率は60%ほどにもなっていました。喫煙により健康障害をきたす人々を目の当たりにしている我々医療従事者が、率先して何とか立ち上がらねばという使命感で当連盟はスタートしました。以前は各地に支部も結成されていました。その後医学・歯学の各学会が「禁煙宣言」をし、健康増進法が制定され、また専門医は非喫煙者とする学会も増え、医師・歯科医師の喫煙率も低下しています。受動喫煙の害が周知され、各地での対策も進みつつあります。コロナ禍で閉鎖された室内喫煙所が、このまま再開されないことを願います。
発足から毎年、学術総会を全国各地で開催してきました。2020年には「東京オリンピックをスモークフリーで」のテーマで東京都医師会館にて第29回総会を開催し、小池百合子東京都知事のご挨拶もいただきました。(通信第29巻第1号参照)昨年2023年2月には北九州で2011年以来2度目の開催となりました。本年は5 月11 日12日に新緑の札幌で第33回総会を予定しています。皆様に久しぶりにお会いすることを楽しみにしております。
当連盟は会員向けに年3回通信を発行し、ポスターも作成し、また付録も含め様々な情報を伝えています。会員以外にも市民向け、産業医向け、国会議員向けなどの研修会や厚生労働省そのほか必要に応じて要望書の提出や、全国の自治体への情報提供などの活動も続け、受動喫煙対策が一層進むことを願っています。当会の活動は会員の会費で運営されていますので、会員を継続される事を願っております。
最近は若い人には加熱式タバコが広まり、販売側の攻勢が激しくなっています。しかし、従来のタバコより税金の安い加熱式タバコの税率を上げることを財務省は計画しているようです。これで加熱式タバコ離れとなることを期待いたしますが、増えた税収を軍事費に回すかもしれません。これは日露戦争の戦費調達のために専売制にしたことが思い出されます。喫煙対策にはまだまだ手を抜けません。
当会の趣旨に賛同される方々の入会をお待ちしています。会員の皆様には周囲の方々に当会への入会をお勧めいただきたくお願いいたします。医師・歯科医師以外のタバコ問題にご関心のある方のご入会もお待ちしています。(入会案内参照)
禁煙推進医師歯科医師連盟 会長
齋藤麗子